口と足で描く芸術家たち
今週末は大鳥神社の例大祭です。「おとりさま」として親しまれている氏神様。町中がハッピと神輿と掛け声であふれます。11月には酉の市も開かれますね。
さて、この例大祭が終わった次の週、9月14日(金)から月末まで「口と足で描く芸術家協会」の作家さんたちの作品を展示いたします。
世界中の様々な地域や文化圏に両手の自由を失い、口や足で描く人々がいます。生まれつきや事故、難病など理由は様々です。そして誰もが過酷な宿命を担い、厳しい障がいに向き合っています。
人々には、自由に使える両手がありません。けれど、僅かに残された体の機能を使い、潜在する能力を見つけ出し訓練します。そのことが人々を深い絶望から解放し、自信を回復させるのです。やがて価値あるものを創作し、広く社会に問いかけるとき、それは生涯をかけた職業へと育ってゆきます。
協会は、作品を出版社の手で絵葉書やカレンダーや文房具などに複製し、世界中で協力を呼びかけています。それにより協会の活動の財政基盤が作られます。そうして自分の働きで一定の収入が得られるようになり、自立した生活へと向かいます。
活動を続ける障がい画家は生活費、または奨学金を毎月受け取りますが、それは、その作者の作品の売れ行きとは関係ありません。このシステムでは、病気の進行などその他の理由で全く描けないときにも送金を受けます。
このシステムが機能するためには、自分のためだけではなく、仲間と共に助け合い生きて行こうという高いモラルも必要になります。
下にご紹介するのは、今回展示する絵画の一つ水村喜一郎氏の作品です。
現在、世界72の国や地域の障がい画家約800名が参加しています。日本では、21名の画家が口や足で描いています。
展示期間中、ぜひ足を運び、画家たちがキャンバス上に表現しようとしたそれぞれの世界をご覧ください。
巣鴨と小石川の古地図を展示します。
もうすぐ子供たちの夏休みも終わりです。子供のころ、蝉の声を聞くと何となくソワソワした気持になりました。夏の終わりになく蝉の声は一日が終わる夕暮れのもの悲しさに似ていて、何とも言えない寂しさを感じたものです。
ソレカラの裏にあるけやき並木や鬼子母神から聞こえる蝉しぐれに、ふと子供のころの夏休みを思い出しました。
さて、ソレカラの古地図のコーナーですが、8月24日から展示する地図が変わります。
「雑司が谷・音羽絵図」はそのまま、「巣鴨」と「小石川」の原画のコピーを新しく展示します。巣鴨絵図には桜で有名な飛鳥山や羊の牧場・メンヤウヤシキ、また小石川は現在の伝通院、茗荷谷駅周辺で、有名なお武家のお屋敷が点在しています。
現代の地図と比べると縮尺比が違っていて、イラストを見ているようでとても楽しいですよ。ぜひご覧ください。
それでは、また。
雑司が谷鬼子母神通りのcafe、ソレカラです。
はじめまして
sorekaraは雑司が谷鬼子母神通りに8月5日にオープンしました。
店名は夏目漱石の小説「それから」から頂きました。なぜ漱石なのかというと漱石と雑司ヶ谷に「縁」のようなものを感じているからなのです。
小説「こころ」には「雑司が谷霊園」が登場しています。主人公である「私」が「先生」の自宅を訪ねると「先生」は不在で、奥さんから雑司ヶ谷に墓参りに出掛けたと告げられ「私」は雑司ヶ谷に向かうとうくだりです。「先生」の友人であったKの墓が雑司ヶ谷にあり、月命日に「先生」はお墓参りをしていたのです。
小説の中でKが眠る雑司ヶ谷の墓地に今、漱石自身もまた眠っているとう偶然。この漱石の墓には休みになると多くの方が訪れています。
意外とご存知の方は少ないのですが、雑司ヶ谷霊園は江戸時代には、将軍の御座所として御用屋敷や御鷹部屋(お鷹狩りのための居留地)があった所です。このお鷹部屋から続く鬼子母神界隈は江戸時代から庶民の信仰の地として参詣客で大変賑わっていたそうです。
こんな愛すべき土地「雑司が谷」にある「ソレカラ」には今、起業家の若者やお子様連れの若いご夫婦、留学生、ご近所のおじいさんやおばあさんなどいろいろな人たちに気軽に立ち寄っていただいています。感謝です。
どうぞこれからもよろしくお願い致します。
次はメニューやコーヒーについてのお話しをしたいと思います。では、また。