雑司が谷のソレカラ

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「モノクロの追憶、ライカM5」ドイツ文学者・森川元之氏の写真展を開催します。

9月24日(火)からは「モノクロの追憶、ライカM5」と題しましてドイツ文学者・森川元之氏の写真展を開催します。

そこで少し森川元之氏についてご紹介したいと思います。

 

森川元之さんは…

秋田市出身。  早稲田大学大学院修士課程を卒業(ドイツ文学専攻)し、ドイツ語・文学担当教員と して昭和大学に勤務。2012年に定年退職しました。また1978年から1981年にかけてドイツにも留学しています。

当時ミノルタとライカ社が提携して製作した小型カメラ・ライツミノルタを使用したことがきっかけでライカファンとなり、後にM5を入手、趣味として写真を撮り続け今日に至っています。

 

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<以下森川元之氏の文章より抜粋>

●ライカM5とは

ドイツ製のレンジファインダーカメラ・ライカM5を常用カメラとして購入したのは、1980年代の初め頃でした。70年代に2~3万台しか製造されなかった製品です。ライカのM型シリーズといえば、両端を半円形でまとめた、小判型のデザインが特徴で、これは今日のデジタル化されたモデルにも受け継がれています。M5だけは例外的に両端が直線で裁断され、異形のデザインとなりました。当時変化を嫌う好事家の一部から弁当箱と揶揄されたそうです。露出計を搭載した最初のモデルでしたから若干重くもなりました。

 しかし、使ってみると、手によくなじみ、伝統的な二重像合致式のピント合わせはもちろん、指針による露出の確認が容易で、適度な重さのおかげでカメラのブレが抑えられ、安心感があります。シンプルで、頑丈で、めったに故障せず、使い込んでも飽きがこない。

 優れたレンズ群も含めたライカを支えていたのは、百年以上も前に最適な機能とデザインを探り当てた先人(小型カメラ開発の祖・バルナック)に対する敬意と改良の努力を継続してきた積分的な時の経過だったのでしょう。

 

●アナログ写真を撮り続ける理由

 現在カメラの世界はすっかりデジタル化され、アナログ写真は片隅の存在と化した感があります。私自身もデジタルカメラの利便性を頭から否定するつもりではない。カメラも工業製品である以上は、解像力の向上や暗闇の克服などを目指して、技術的な努力は際限なく続けられるでしょう。シャッターを押せば、だれでもそこそこきれいな写真が撮れる時代です。ただ、パソコンもデジカメも最低限の機能しか使えない老骨は、少し待てと言いたくなることもある。今日のハイスペックな機器には、写真家、田中長徳氏の比喩表現を借りれば、「絶世の美人を呼び出し、その上に厚化粧をさせる」サービスまである。そこまでやるか、という息苦しさを感じるのは私だけではないでしょう。

 

●森川氏がモノクロフィルムを選んだ理由は

モノクロフィルムを選んだのは、素朴だけれどもコクのある光とモチーフの深みのある存在感とに惹かれていたためで、ライカのレンズがこの作業に最適でした。

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今回展示されている作品は、森川氏の奥様の実家のあるアルザスを中心に、ヨローッパで休暇を過ごした際の写真です。主にライカM5にズミクロン50ミリのレンズをつけて撮影したそうです。

現在は出番も少なくなりましたが、ライカM5は就職してから定年退職するまで、そして今も手元にあり、まさに彼の人生の同伴者となっています。

■夏のアルザスザルツブルグ、スイス・レッチェンタール、パリ・セーヌ河畔…

文学者ならではのコクのある素敵なキャプションとともに是非ご覧ください!

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